あおみどろ

キリエのうたのあおみどろのレビュー・感想・評価

キリエのうた(2023年製作の映画)
4.5
別離の苦しさだとか過去の過ちだとか、キリエや夏彦が感じてきた様々な感情を1つの歌にした、ラストの路上ライブシーンに涙腺が大決壊してしまった………辛いことも楽しいことも、短い人生の中で色んなものを経験してきた彼女が、微笑みながらも魂を込めて全身全霊で歌う姿が本当に、本当に胸に刺さる。恐らく一週間はあのシーンの思い出し泣きが止まらないことだろう………。

ストーリーに関しては………正〜〜〜直に欲を言えばだけど、キリエ以外の登場人物を深掘りして欲しかった………具体的には夏彦とか逸子あたりとか。その方がもっと深みが増していたような気がして。しかしその分キリエにフォーカスがいっていて、それはそれで良かったのかなぁと。だからこそのあのラストシーンの感動が爆誕した訳だし。

あと個人的に、路上ライブのシーンで観客の顔にフォーカスしていたのも良かった。ただの雑踏に見える彼らも、実はキリエと同じく壮絶な人生を送っていたりして………って色々考えさせられる。震災のことだって、キリエだけの話じゃないもんなぁ………ううむ。

もう早速今年の邦画No.1に決めちゃいたいぐらいだが、11月には『ゴジラ』に『首』と強者揃いなのでまだまだ分からない………取り敢えず今日は、キリエの歌声を聴きながら眠りにつくとしよう。
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