ふしん

いずれあなたが知る話のふしんのネタバレレビュー・内容・結末

いずれあなたが知る話(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

娘を誘拐されたシングルマザーと、彼女の隣の部屋に住むストーカーのお話。

アレコレと想像しながら観る楽しさがありましたね。

靖子は綾の幸せ、勇雄は家族の評価に縛られて、生きづらさを抱えているように見えます。

靖子は綾が誘拐され、誘拐先で楽しく暮らしている綾の姿に、歪んだ形で幸せを感じたことで、少しだけ束縛から解放されますが、勇雄は靖子を助けることで苦しみから救われようとして、結局靖子に望む形で評価されずに失敗しちゃいます。

勇雄が靖子の事情も知らずに、先走って彼女を救おうとする姿は気持ち悪いですが、靖子の最後のキスもちょっと気持ち悪いなと。一方的に相手の感情や背景を推し量って行動することのある種の暴力性を感じます。

タイトルは綾に向けたタイトルなのかなと思いました。綾がこれを知ったら絶対に幸せにならないので、彼女の幸福を願う靖子が苦しみ続けるバッドエンドだと思いました。

自分の幸福を他人に委ねることの危うさを感じるお話でした。
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