酔い痴れるはパーフェクトデイズ
誰しもが持つ不変的な幸せ、それを掴んだ者の毎日の暮らしが美しく描かれています。小説が毎日進んでいく幸せや植物が少しずつ育っていく幸せ。このような日々の小さな幸せを噛み締めるという幸せそうな男性を役所広司が演じました。かといって幸せなことばかりでも無い人生の苦悩もこの映画では見られます。
ヴィム・ヴェンダースの大好きな音楽とそして、大好きな日本の良きところが映画内では堪能できます。お洒落な映画。古書店とコインランドリーは日本ならではで良かったです。
映画内ではまるバツゲームやニコのその後など色々気になる点はありますが、人生においてモヤモヤすることは何個もあるということを暗に示しているようで、妙な納得をしました。映画はある意味で伏線回収や物語の組み合わせを〝完璧〟にしているので、人生との乖離が少しあるのかも知れません。そういう意味でもこの映画は普通の映画とは少し違うのかもしれません。
毎日同じことの繰り返しだと思って見ていても、どこか違う、1日1日の無先例さを映画を通して痛感しました。それを木漏れ日と表現するのも良いと思いました。それを成り立たせていることは素晴らしいことですね。まさに涙が出るほど完璧な日々。