ロンビュー

ボディガードのロンビューのレビュー・感想・評価

ボディガード(1992年製作の映画)
3.6
ロマンスとスリラーを見事に同居させ、ケビン・コスナーのいぶし銀な魅力と世の中に新たな歌姫を誕生させた90年代の名作

オープニングクレジットの後、急な銃声からスタートする。これがノーラン作品ならきっと重要なシーンですが、この映画ではフランクファーマーがいかに優れたボディガードであるかを簡潔に説明するための場面。

中盤までロマンスかと思いきや、不自然な雪山の場面への移り変わり。そこからスリラーの色が強くなっていき、特に雪山での攻防は息を飲むものがあります。

主人公は常に合理的な選択を取り、愛すらも取捨選択の候補となります。それがレイチェルとの絆が生まれ始め、冷静に仕事をこなすことより失うことへの恐怖へと変わっていきます。この映画で、フランクはオレンジジュースを飲みますが、オレンジはかれにとって合理的に判断出来ている証なのでしょう。なので、酒と割った時は彼の気持ちが中途半端であることが示されています。

ボディガードであるフランクのモデルは黒澤明監督の『用心棒』で、脚本のローレンス・カスダンが相当な黒澤ファンであり、武士道の精神をボディガードに落とし込んだ。

主人公のボディガードとしての姿と1人の男としての姿を見事に演じ、信念を持ち仕事をする姿に惚れました。ケビン・コスナー最高。

何故かこの映画は終始ジョディ・フォスターのことを頭に浮かべていました。要所でポイントがある。犬の名前とか。
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