平山が手に取る本がフォークナー、幸田文ときてパトリシア・ハイスミスというチョイス。製作にはローソンやらユニクロやらなんか大きいとこが絡んでいるがまあ一旦それらは忘れよう。
スマホ持ってないトイレ掃除夫のミニマルではたから見るとなにもない「禅的」な生活を、ちょいちょい登場人物はさみながら見せるスタイル。話が進むほど平山のモノクロームな夢のシーンの頻度が増量する謎構成。何しろ平山はフィルムカメラで木漏れ日を撮影するのが日課(?)か趣味なので。しかもデカいラジカセと中古で高値がつくカセットテープを沢山持っている。
さすがにトイレ掃除だけで終わるということはなく、若者は金借りてバックレるはなんかやたらスタイル良い姪は現れるは、行きつけのスナックのママは元夫と抱き合うなど目撃してバツが悪い感じになるとかまあまあある。しかし、基本線として役所広司が浅草の地下街でビール飲んだり、銭湯行って帰って本読むというなんでもない生活に魅力と面白さが詰まっていてどうしても嫌いにはなれないのだった。
追記:田中泯に渋谷で踊らせてるのは土方巽オマージュ的なヤツ?まあそれ以外ないか。