オザキ

PERFECT DAYSのオザキのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.6
12/23
パターソン的な静かな生活を描いていると聞き、前もって想像と妄想をじっくりと膨らませたあとに劇場に足を運んだ。淡々とした生活をにこやかに過ごせたらと思うことが多い

だからある種の理想を描いているはずのこの映画を見て、しかしやはり違和感があった。平山はフォークナーが面白すぎて夜眠れなくなったり、カセットが欲しくて仕方ないときスッと身を引く心の制御方法を持っているようだ。私は無理だ。

どこか諦めたような彼の過去が気になるが、それを描くと全く違う作品になり、愛おしく描かれている生活のディテールは見えなくなってしまうんだろう。でもやっぱり電話が通じなくて怒鳴る役所広司は最高にかっこよかった。

役所広司が「知らない人のために生きるという幸せ」というなことを広告で言っていたが、そういう大義チックなものとは別の美徳を描いた作品に見えた。演じた役所広司がそういうふうに思っているのは不思議だ。

ヴェンダースのちょっと浮世離れしている感じが日本語のセリフで聞くと過度に意識されてしまった。一方で東京人の生活習慣をよくわかっていて驚かされる。リサーチってことか

都内のアリスを見たあとにもう一回見たい

次みたとき考えたいこと
管理と発明
不安
モテ
狂う老人
オザキ

オザキ