KEKEKE

PERFECT DAYSのKEKEKEのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.0
- 実際に企業行政のコマーシャルであることは明確だし、クライアントを隠す意図もないんだからそこにとやかく言うのはナンセンスだと感じる、でもそれを踏まえてめちゃくちゃ面白かったかと言われると絶妙

- トイレ清掃員を資本主義社会のポケットに落ちてしまった人間としては描かず、あくまで東京に暮らす1人の生活者としての一面にフォーカスする
- 影というモチーフをポジティブに用いて、私たちの生活を照らし、社会を下支えするエッセンシャルな存在として描いた
- この街を作っているのが建設業者やコンサルタントだけではないという、当たり前の事実に立ち帰らされる

- 一人一人に葛藤や苦悩、日々の幸福があり、その日常を具に描写することによって彼らが人生の過程で手に入れたものと諦めたものを浮かび上がらせた
- パターンの中にこそ差異が生まれ、その時初めて世界の美しさに気づくと言うのは、ジムジャームッシュの作品など共通しているメッセージだ

- でも正直なところ単純に平山に興味が持てない
- 彼の日々をパーフェクトデイズだと切り取ることに意味があると思えない
- それよりもこんな嘘をついてまで何を伝えたいと思ったのかに興味があるのだけど、それについては「こういう闘争もありだよね」ってはなしなのかなと思った

- 流石にセリフ回しに違和感を感じた(柄本時生のセリフの一部アテレコで塗り替えられてた?)
- カンヌで最優秀男優賞を受賞した役所広司の演技も、"寡黙"というキャラクターを持て余している印象を受けた
- 寡黙な人間がいざ喋ったら普通につまらないと言うのは超リアルなんだけど、その演技によってもたらされる深みというかバックグラウドが薄くて見ていて辛かった(レコード屋のシーン特にしんどかった)
- 日本語話者ではない監督が役所広司の演技をできるだけ引き出すために必要な設定だったという至極リアリスティックな事情なんじゃないかと

- チャリの撮り方うまいなあと思った
- 目的地によってこぐ速さとか姿勢って変わりますよね
- あと育成ライトの異様なスペクトラムがなんとなく平山さんのキャラにミスマッチでよいですね

- 上を見上げる
- 毎日同じ音で目覚める、それは誰もが見過ごしている影の音
- ラストシーン凄い、笑いながら泣いて下さいとか言われたんだろうか
- 木漏れ日って英単語ないんですね
- 役所広司、俺が死ぬまで生きていてくれ
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