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PERFECT DAYSのNのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

木漏れ日という言葉は、日本語にしかなく
その言葉を作ろうと思った日本人の感性を映し出しているように見えた
空を見上げたら微笑んでしまう
風に揺れる木々や木漏れ日を見ると微笑んでしまう、赤ちゃんの笑顔を見た時のように
地元の慣れ親しんだ場所が多く写り、好きな音楽もかかった
映画の中で知っている曲が流れるとやっぱり嬉しくなる
平山さんが近頃の自分みたいで微笑ましく、共感しながら見た
家を出たらまず空を見上げ
その日の空模様や空気に合わせて音楽をかける
移動中の音楽は欠かせない
昨日と同じようにこなす一日が始まる
でもそこに失望はなく、むしろ小さな気づきや幸せ、変化が常にありその流れに身を任せその日その日の有り様を楽しんでいる
その生活の合間に顔を見せてくれる穏やかな自然に心癒される
緑や木々がなくなってしまったら心穏やかに生きていけないだろうと思う
それと同じように空を見上げたり、木漏れ日に微笑みかけたりする時間が多忙によりなくなってしまったら、同じように生きてはいけないだろう
この映画を見ていて、本の一説を思い出した
「愛を持って丁寧に過ごす日々は、生活そのものがアートになる」
泣きたくなる夜も、疲れて何もしないで寝てしまった日も、たまに訪れるときめきも、不思議な出会いから生まれた楽しい時間も、変わらない毎日も
丁寧にその瞬間たちを抱きしめて生きてゆけば
それは自分のアートになってゆくんだろう
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