ashigusuri

PERFECT DAYSのashigusuriのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
-
思ったより長く感じなかったのは、やはり役所広司の豊かな芝居に散りばめられた数々のディテールを読み解く作業に追われ続けたから。
気になる点は多い。主人公の平山は玄関に鍵をかけずに外出しているようにしか見えなかった(見落としかもしれないが)のだが、終盤に鍵を開ける描写があったところとか。そういうタイプの錠なのか知らないが、描写不足なのか狙いなのか判断つかない。
「幸田文」を知らないであろう人物がさほど迷わず「こうだあや」と読めている場面もやや引っかかる。読めなくはないかもしれないが、人物名というものは多少迷いながら読むのが普通ではないか。
あと衛生観念とか。若い女が揃ってオールディーズに関心を示すのも。
飽きずに通せはしたが、全体としてこれは「上流階級的価値観で思い描いた『平凡な幸福』という妄想」なのではないか、という違和感は付きまとった。
ashigusuri

ashigusuri