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PERFECT DAYSのnaoのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.3
・今は自分の尺度で幸せなものを共有、共感しにくい世の中。
→現代はSNSなどで派手な幸せ?が数値を集め、幸せの定義がこんがらがっていると思う。
SNSで数値がある=幸せや成功ではない。
わかっているが、他者に認められたいという群衆の心理から、
様々なことの定義が自分の尺度では無く、多くの票を集めるものが正解のように感じる窮屈さがある時代。

しかし、
この映画は、多くの人には認められない幸せを描いている。
誰もがある、”自分の中で気づいていたけれど、他者へ共有できなかった幸せ”を美しく肯定的に描いている。
「共感されない幸せでもいい」と語っているように感じた。

時々彼が見せる笑顔は不思議に感じるものがある。
それは”世間的”には、幸せとは言えない環境であるから。
しかし、彼は仕事に誇りを持ち、日々の生活に満足し、
彼は彼の幸せの定義で生きている。
不思議に感じた自分も、自然と他者の価値感にどこか振り回されているのかもしれない。

振り回されない彼の生き方に、力強さと美しさを感じ、幸せの定義の気づきを与えられた作品でした。
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