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PERFECT DAYSのmiraのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.5
3Dにこだわるのは光と影のコントラストのその先の向こうへ何かを見つけたいから?(いきたいから?)。夢? のレイヤーが大いに示唆的で、役所がところかしこで「見上げる」行動することに理由がつけられている。黒白フィルムの粒子、それと黒と白のあいだ。輪郭線が光によって境界線が曖昧になる、ボヤけた何か。絶対に直視できないそれに憧れを抱くのであれば蝋で作られた羽根は溶けて血に落ちてしまうでしょう。この設定でやるのだいぶイカれている。

高速(首都高)をちゃんと認識できたのは『無言日記』以来? レイヤー意識しているので、街をしっかり撮らなければならないという気兼ねを感じる。それが象徴的なスカイツリーと、高速および道なんだなヴェンダース。東京でロードムービーを自己模範すること。だから道と象徴と休憩所=トイレ、公園(神社の境内?)が必要になる。ルーティンワーク〜ロードムービーへの憧れ。

浅草駅地下街でのやりとり。昼終わりから飲んでいる人たちは何をやっている人なんだろう、と疑問に思ったことがあったのだけど、役所のような仕事に就く人もいるからなんだなとか素朴に思った。

姪と一緒に昼食べるところ、飲み物を飲むところ2人の動作が同期しているのなんかCMっぽく見えちゃった。そこでカット割って正面からのフルで木々などの緑が見えて余計にコマーシャルにみえた。

フィルム現像+焼き+フィルム代金で2000円ちょっとはなかなか破格だよね。びっくりした。CDがあの家にないことを考慮すると、80年代初頭から入る前あたりに何かしらがあって時が止まった人物なのかな。資本主義と作家性の真ん中ってとても困難なんだろうな。
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