淡々と日々を過ごす平山を追っていくドキュメンタリーのような作品で、さして劇的な出来事は起こらないのに見入ってしまう
役所広司の存在感がただただ凄い、セリフも少ないのに出ずっぱりとなると所作と表情が重要だけど、ちょっとしたところで平山という人間を体現し興味を惹きつける
上を見るというアクションがとてもいい、大した日々でなくても前向きに日々を過ごす清々しさを感じさせられた
ただ、女性周りの描写や演技の質は役所広司と比べると見劣りしていると言わざるを得ないし、若い女性と絡むと滲み出るおじさん感が少し苦手に思ってしまう
基本的には抑制されているトーンだけど、たまに良いことを言う感じとかさりげなく見せようとするエモーションが少しあざとさに繋がっているようにも見えた
平山のパーソナルな部分はほとんど描かれず、余白もかなり多い作品なのに、鑑賞後に清々しい気持ちになれる不思議な映画
