ま

PERFECT DAYSのまのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
素晴らしい映画を見た。最近あんまり良い映画に当たってなかったから凄く嬉しかった。映画好きでいて良かった、そんな映画。
こんな映画を待っていた、ずっと見たかった。映画が始まった瞬間そう思った。
多分今まで見た映画でベストテンには入る。それくらいに良過ぎた。何度でも見たいと思った。
見る前と見た後で人生が変わる映画だと思う。

朝。近所の人が掃除している、その箒の音で目覚める。歯を磨く、盆栽に水をやる、着替える、小物を順番に取って行く。玄関を開け天を見上げる。缶コーヒーを買う。好きな音楽を聴きながら車に乗り仕事に行く。昼食を取る。写真を撮る。帰ってくる。銭湯に行く。行きつけの居酒屋に行く。夜。寝る前に本を読む。寝る。夢を見る。そしてまた朝…。そんな何気ない日々…『PERFECT DAYS』…。
役所広司演じる平山という男の日常が繰り返される。ほぼ台詞はない無声映画だがこの生活のテンポ感というかリズムがとにかく心地良いなと思った。
孤独ではあるが凄く理想的な人生だなと思う。そして毎日同じの様に見えるが全く同じ日はない。
家出姪が出現し妹が登場してきた辺りでこの平山という男の過去に何かあったのかが分かる。
こんなふうに生きていけたなら良いんだけどそういうわけにも行かない不安の様なものは人生には付いてまわるんだと思う。また、今のこの人生に満足しつつもこんな人生で良かったのか?という自問の様なものもあのラストの顔に現れてる気がする。
ま