ヴィムヴェンダースから見る日本が美しくて、感動した。
日本に住んでいる自分からしたら、銭湯に行くこと、フィルムカメラの現像をしに行くこと、駅に併設されてる居酒屋に行くこと、は日常的で平凡な日々だと思える。
けど、日本に住んでいない人からしたら、その日常は特別で、日本特有の素晴らしさなんだと思う。
日本のトイレがなぜ綺麗なのかっていうところにも焦点がいくし、そこから清掃員を主人公にするっていうのも頷ける。
部屋の描写が終始面白くて、盆栽をしている部屋が視覚的にも面白いし、部屋が主人公をしっかり体現している。あと、夢の描写も写実主義的に進んでいくこの映画にとって良いアクセントになってるなと思った。
カセット、フィルムカメラあたりからわかる懐古主義な平山さんが、最後おじさんと影踏みをするシーンが、彼にとって最高の瞬間なんだろうと思わされた。少年らしさ的な部分を初めて見せて、そのまま明日を迎えて終わる。
紆余曲折というほどの人生でもないけど、抱えているものはあるし、日々の中で小さな波はある。けど、それでもひたすら前に車を走らせ、そこから見える日常の素晴らしさを語った映画。
