普通の人の日常を覗くのがすごく好きだ。普通とはいえ私のそれとはまた違う普通で、それが五感を刺激する。
彼の日常に付き添いながらも、たまにビル街や高速道路を目通すカメラの視線は、ドライに見えるこの風景の奥には違う人の日常がたくさん存在することを想起させるようで、この映画の中で私がとても好きなシーンの一つである。ルーティンがあって変わらない日々のようで、時に思わずのハプニングが起こるのが我々の人生なのだろう。でも、変わらないことなんか何もない。いつだって同じ姿をしている瞬間なんてないから。
友人に教えてもらったヴィム・ヴェンダースの映画はこれで2作目。他のも見てみたいな。そして全く違うけれども『素晴らしい一日』ももう一回見たくなった。