W.ヴェンダースの撮影の光は柔らかい。ホント、日本のトイレは世界一。公共のトイレって今こんなんになっているの？この映像にあるトイレは全てウォシュレット付きだし、外観もなんてまぁ、スタイリッシュなんでしょう。そしてキレイであることが前提。私は思うのである。日本ほどトイレがキレイで、かつ公共や複合施設、誰でも利用できるトイレがたくさんある。こんなこと他国ではないよ。金を取られても汚い所多いし。あまりの汚さに引き戻るなんてこともザラだろう。日本のトイレクリーナーの方ほど高い報酬を得なくてはいけない。ほとんど低賃金だろうし、せっかくキレイにしてもすぐ使われるし。
平山はその上ものすごく几帳面。生活もきっちりルーティーンで日常之生活の中にちんまりした憩いを見つけ、淡々と暮らす。不満とか、そういった発想もないんだろうな。時に珍客によって生活が乱されるが、それでも彼の生活は彼だけのもの。穏やかだが他人が入れない領域はある。おそらく良家の出だろう。人当たりもそう悪くない。だから作業姿でも品がある。彼の良いところは何気ない小さい喜びを見つけるのが上手いこと。これって結構重要。心を豊かにしてくれる術を知っているのは羨ましい。
監督は都会の木漏れ日を起きに召していただき何より。撮影はクルー皆が優しい気持ちで進んでいったんではなかろうか。ね？
