『生きる』って人それぞれ。
平山さんに”生”の「心地よさ」と「少しの勇気」を分けてもらった気がする。
この映画に出会えたおかげで、楽しいことばかりではないだろう未来への見方を、少し違う角度から考えることができた気がする
私は普段、どちらかというとポジティブな方だと思うけど、不意に感じる未来への不安とか、日本は平和だけど世界では戦争が起こってることとか、マイノリティって分類されて生きにくさを感じてる人がいることだとか、やっぱり毎日生きてるといろいろ目に入るものや耳で聞くことが何かしらある。そうして皆んな、社会や周りの目を気にしながら生きているんだと思う。
そういう頭の中をぐるぐるするいろんなものをサァーっと波で吸い込んで、”本当の自分はどう生きたいんだ？”と平山という人間を通して、問いかけられたような気がした。
そしてその答えは急かされて見つけるんじゃなく、時間をかけていいんだよと、そういう安心感と優しさで溢れた映画だった。
この映画を観たあと、ヴィム・ヴェンダースの特別インタビューを第６弾まで観たが、それもとても面白かった。
“怪物”の存在、"平山"という男。ヴィムの脳裏を少し覗けたような気がして。
役所広司さんの演技、最強だったな。
