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PERFECT DAYSのXXXXXのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
ヴィム・ヴェンダース監督の話題作を今更ながらに鑑賞しました。
役所広司主演🎬

トイレ清掃業の平山は、仕事に追われながらも平穏な暮らしをしていた。彼の周りには後輩のタカシや、姪のリコなどに囲まれ、静かに動いていく。

平山は、恐らくロスジェネ世代で、就職に失敗していて、漂流した果てに行き着いたと思われます(間違ってたらごめんなさい🙏

一時期、若者の間で「金がなくてキモいだけのおじさん」と呼ばれた弱者男性の蔑称があったんだけど、正に底辺に生きる人の物語。

ただ、平山は傍目から見れば哀れみをかけられる存在なんだけど、前向きに自分自身の生活を楽しんでます。
盆栽や読書、銭湯など没頭できる世界を持っており幸せです。

日本には、職業差別や根強い中年男性ヘイトが充満しており、平山がトイレで迷子になった子供の母親を探してあげようと、手を引いて公園を歩いていると、母親が子供を見つけ、平山から乱暴に子供をひったくると、礼も言わずに、子供の手を除菌シートで乱暴に拭くシーンがあり、何とも現代を描いたシーンが印象に残りました。

そんな平山の後輩タカシ(柄本時生)は、サボりがちでろくでなしなんだけど、気に入ってる彼女に気に入って貰おうと、平山の車を強引に借りて、カセットテープを聴かせてもらうけど、彼女がすごいその曲を気に入って、ちょっとした交流が生まれます。おそらくタカシの彼女はキャバ嬢とかなんだと思うけど、彼女に会いたいからと、平山の大切にしてるカセットテープを中古CD屋で売ろうとしたり、借金しても返さなかったりと相当なクズ!結局やつは仕事を飛びます!🤣

そして、次なる人物は姪のリコ!ヴェルベット・アンダーグラウンド由来の名前かな?
彼女は音楽や小説を嗜み、トイレ掃除まで手伝ってくれます。
色々交流あったんだけど、結局家出してる最中なので、あまり平山と交流がない妹(リコの母親)が迎えに来るんだけど、いかにも成金で平山のトイレ清掃業と言う仕事バカにしてるワケ。
このシーンも職業差別をすごい表現してましたね。

リコのシーンは、とても清涼剤の様な効能があり、一緒に銭湯行ったり、サイクリングしたりと、平山の無味感想とした生活に潤いを与えてくれます。Z世代のコってすごい感受性に研ぎ澄まされて、性格がすごい良い子いるイメージ!

そして、平山が顔馴染みの小料理屋のママさゆりと、元夫とのエピソード!さゆりは石川さゆりなんだけど、夫役は三浦友和。海辺の公園で影踏みに興じたりと、中年オヤジが童心に帰ります。ここの交流良かった!

2002年、スタジオボイス誌で、東京百景と言う伝説の企画があったんだけど、正にその企画の映画化とも呼べるし、何よりソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』への回答と呼べる世界観でした。
かつての職場の近くも出て来て、とても懐かしい気持ちになりました。 

ただ、平山の暮らすアパートが若干セットっぽかったし、トイレがやたら綺麗なのはちょっと違和感かな←
研ナオコとかカメオ出演も豪華!!

サントラも良くて、パティ・スミスやニーナ・シモンとか出て来て夢見心地でしたね。
ラストの長回し!あれは意図して撮ったのか、偶然撮れたのかは分からないけど、映画史に残るラストと言ってもいい!

実は、ヴェンダースとは相性悪い俺だけど、今作はハマりましたね。2024年暫定ベスト1と呼べる作品でした!
海外の人が見たら、どう言う感想を持つんだろう...。一つ言えることは、プロ野球ネタは一切分からないと思う!!

映画鑑賞の帰り、トイレに寄ったんだけど、トイレには掃除のおばちゃんがいた。会釈をしたらマスク越しにおばちゃんが少し笑みを浮かべてくれた。天気は悪かったけど、少し足取りが軽くなった。
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