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PERFECT DAYSのtchのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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また今までとは異なる一人の人生を体験したな〜
て感覚。
日々の生活のルーティンだけど、同じ日なんて一度もないし、二度と訪れる事はなくて、そこには小さな幸せやキラメキが散らばっている事を教えてくれた。
観ながら笑顔になって、心がフワッと軽くなったシーンがいくつもあった。
毎日を生きる事で、満たされていた。

起承転結がハッキリと無かった、まさに人生。

質素な生活だけど、毎日眺める木漏れ日・カメラ・読書・週1行きつけのバー・「おかえり」「お疲れ様」を言ってくれる行きつけ居酒屋・仕事終わりで明るいうちに入る銭湯… 多趣味というか、満たされすぎていて、脚本者の「こんな風に生きていけたら」が詰め込まれてた。
だからこそリアルな東京の全てっていうよりも、美化&綺麗な部分しか見せてない感じではあった。

「この世界には本当はたくさんの世界がある。繋がっているようで繋がっていないものもある。」みたいな言葉があって、その言葉を裏付けるようなシーンが所々にあったけど、その価値観にはとっっても共感。
人によって満たされると感じる要素や、同じ景色を見ても感じる事は違うし、実に多様。
それでも、似たような星に生まれた人は必ずいて、彼らが平山の日々を彩ってくれていた。
きっと自分も、みんなも、そうなんだろうな。

最後のドライブシーン...
毎度車の中でかけ流しているカセットの曲たちは、平山にとっても鑑賞者にとってもBGMでしかなかくてルーティンの中の1つだったのに、最後のシーンで初めて音楽に耳を傾けるかの様な平山の姿があって。
その時のやけに長く映ったドライブ中の表情の変化は、理解が追いつかなかったけど、どういう心情だったんだろ…。


「木漏れ日」
「カセット」
「Feeling good」
「こんどはこんど、いまはいま」
tch

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