毎日同じ時間に起きて同じことを繰り返す日々でも、特別なことは起こらない毎日でも、同じ日は一つもなくて、「何も変わらないなんてそんなばかな話あるわけない」って本当にそう。毎日見る、同じと思っていた場所や景色でも、そこが変わってしまった時に、そこに元々何があったかも思い出せなくなるのは、毎日色んなものを見て多くの情報を得る私たちにそんな些細なこと覚えていられる余裕がなくなっているからで。きっと、主人公の平山は便利で小綺麗な生活も知っているんだろうけど、あえて質素でアナログな生活を選んで、木漏れ日や光の反射、小さな植物の芽といった、私たちが見落としている些細で美しいものを見つけて大切にしているのかなって。だからこそそんな彼の日々や感性が心底羨ましいと思った。真の豊かさってなんだろうって考えさせられるし、台詞の少ない映画だから、言葉一つ一つすごく印象に残ったな。
