兎月

PERFECT DAYSの兎月のレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5
個人的に2023年の禊になった作品。

ドキュメンタリーに近く、どこにでもいそうなトイレ清掃員のおじさんのルーティンを眺める。そこから見えてくる幸福と諦観。

過去が語られるわけでもなく、台詞が多い訳でもないのに平山の解析度が高い。
こういう人でありたいという気持ちと、寂しい生き方だなという気持ちの両方を感じ、ラストの表情だけの演技に感情ぐちゃぐちゃにさせられた。
役所広司さんの技術の高さに感服。

完璧な日々とは小さな幸せに満足することでもあり、自分が持ち得る世界に折り合いをつけていくことでもあるのだろうか。
平山の前向きな処世術に、私も頑張って生きていこうと背中を押してもらえた。
兎月

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