事前に漏れ聞こえてきた「こんな風に生きられたら」的な評とは裏腹に、平山さん色々と張りつめていて、かつきわまっていて、ヤバいんじゃないのこの人、という思いがぬぐえませんでした。強迫神経症のようにルーティーンに執着してましたし。
あの部屋は煉獄。スクールシューティングの下準備として、爆弾つくり始めてもおかしくないよなあ、とか思ってしまいました。だって道具を自作する人だし…緑の軍用ジャケットの袖からシャキーンって銃が出てきそうな感じするじゃないですか。
なんだか様子がおかしいぞ、と確信に似た気持ちに変わったのは、核廃棄物の貯蔵施設のように押し入れにしまい込んでいる、大量の写真が入ったアルミのケース群を目撃したあたりからでしょうか。「うっ」って思わず悲鳴が出そうになりました。
最後の泣きと笑いが秒で転がる精神状態なんか、『Pearl パール』のラストを思い出してしまいましたし、もう感情のコントロールを失っていてやばいことになっているなー、とも思ってしまいました。あの不穏な運転の場面、タクドラのトラヴィスのようですらありました。
やらかした人の近所で取材して、「全然そんな風には見えなかったです」ってあるじゃないですか。嵐の前の静けさなのかもしれないんですよ。だって『シャブ極道』の役所さんなんですもん。
