サトシ

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のサトシのレビュー・感想・評価

3.4
マルコ・ベロッキオ脚本・監督のイタリア映画。

1858年、イタリアボローニャのユダヤ人街で、教皇から派遣された兵士たちがモルターラ家に押し入る。枢機卿の命令で、何者かに洗礼を受けたとされる7歳になる息子エドガルドを連れ去りに来たのだ。取り乱したエドガルドの両親は、息子を取り戻すためにあらゆる手を尽くす。世論と国際的なユダヤ人社会に支えられ、モルターラ夫妻の闘いは急速に政治的な局面を迎える。しかし、教会とローマ教皇は、ますます揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に決して応じようとしなかった・・・。

【キャスト】
教皇ピウス9世:パオロ・ピエロボン
サロモーネ・モルターラ:ファウスト・ルッソ・アレジ
マリアンナ・パドヴァーニ:バルバラ・ロンキ
少年期エドガルド:エネア・サラ
青年期エドガルド:レオナルド・マルテーゼ

GWのファーストデイにリニューアルされたテアトル梅田にやってきました。本当に綺麗に生まれ変わって嬉しい限りです。
さて今作ですが、突然に最愛の息子エドガルドを誘拐され多くの人達の手助けを借りて救い出そうとするストーリー展開です。
キリスト教では病気を治す為に洗礼を受けるという慣わしがある事を知らなかったので取っ付きにくかったです。
エドガルドは家に帰りたいと泣いているのに、想像した以上にキリスト教>ユダヤ教の構図で、全く手出しができずキリスト教に立ち向かうユダヤ教を応援していました。
エドガルドが青年期になり兄さんが助けにきたにも関わらずキリスト教を選ぶのは自由だと断る時に別人のようになっていたのは、寂しい気持ちにさせられました。エドガルドが逃げる為にキリスト教に支配されていたように装っていたのかと解釈しましたが、危篤の母親も自分のように洗礼すれば助かるのではないかとキリスト教信者になっていたのには頷ける気持ちもあり複雑です。父親の葬儀にもこず、母親にも最後に伝えた事が洗礼の話しをしたら、家族から総好かんを食らってベルギーに移り住まないといけなるのは当然でしょうね。
ボローニャ、ローマの偶に映る綺麗な街並みを観るのは心地良かったですが、全体に重苦しい空気を覆われたまま映画を観終わった印象でした。
教皇役のパオロ・ピエロボンが、サッカー日本代表のハリルホジッチ元監督にしか見えなかったですよ。
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