東京国際映画祭にて。
トラン・アン・ユン監督による美食とロマンスの美しい映画だった。
とても美しい映画だが、美しく撮ろうとしたのではなく、正しいものを撮った結果美しくなったとのこと。
ピエール・ガニエールがガストロミー監修で料理まわりもバッチリ。
かつてのカップル、ジュリエット・ビノシュとブノワ・マジメルの共演も興味深い。それもあって余計にドキドキするしロマンチックに感じるのかも。
ほっこり料理映画かと思って観ていた前半、後半は雰囲気が変わる。
美食家と料理人の良好な関係は長年の信頼により築きあげられているが、やはり料理のパートナー以上の感情もそりゃわいてくるわけで。
その気持ちに躊躇する理由があり乗り越え取り払わなければいけない壁もあり。
情熱を注ぐことの美しさを描きながら、避けられない現実を受け入れつつ、二人の(特にドタンの)深い愛を描いていた。
人に料理をふるまうことは愛の告白のようなもの、まさにそういう映画。
ロマンチックだねぇ。
ブノワ・マジメル自身が料理をするのが好きらしく、この役をやるにあたり友人たち料理をふるまったりしていたら10kg太ったと言ってた😅
(オファー当初はもっと痩せていて、太った料理人ではなく痩せていてもいいだろうと言ってたらしいが、結果的に太った、そしてそれでも違和感なかった、という話をしていた)
アカデミー賞国際長編部門フランス代表にAnatomy of a Fallをおさえて選出されるとはちょっと驚きだった。