くさむすび

ポトフ 美食家と料理人のくさむすびのレビュー・感想・評価

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)
4.2
ここ数年の飯映画の中でもトップクラスに飯が美味そうに見える映画。何作ってるのかは分からないのだが、とにかく見てるだけで腹が減ってくる。
映画で出てくる食事と言えば、生への執着のようなものを見せる時があるけど、今作は調理過程をじっくりと見せるからこそ、芸術としての料理として描いていたように思う。コース料理には物語があって、提供順で意味合いも変わってくる。そして今作が持っていた料理の意味が、芸術的側面からパートナーへの愛情のモチーフに移り変わっていくのが上手いし、ドダンとウージェニーのラブストーリーとしての色を強める。「新しい景色を見るのが好き」と言う台詞と連動するような締め方も凄い。登場人物の狂気を感じる。今年のベストラストシーン賞候補。
『ザ・メニュー』もそうだったけど、本当に美味そうな料理が作品に持たせる説得力は大きい。出てくる料理全てが独創的で美味しそうな時点で今作の勝利は決まったようなものだと思う。
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