「青いパパイヤの香り」「シクロ」（どっちも好き！）のトラン・アン・ユン監督作品。タイトルと予告編、ポスタービジュアルでは男女ペアが料理をしていたので、昨年観た「デリシュ！」の様な作品なのかなと観ていたが思ってたのと違いビックリ。冒頭からかなりの尺の調理シーンにもビックリ。なんせ劇中の大半が淡々と手際よく、調理・盛り付け→提供→切り分け・取り分け→味わう…で占める作品…だがこれが観ていて素晴らしい、美食家たちのうんちくもぶっちゃけ邪魔なくらい。そしてラストまで全く劇伴無しの自然光・自然音の中での映像表現やカメラワークも凄く美しい。調理シーンを短くしたら正直100分位にまとまる話になったかも…だが私は観ていて凄く心地よかった。そして主人公2人の関係を細かく濃厚に引っ張らない語り口もかなり良かった、好み。ある意味、調理シーンと映像美だけで紡ぎ出すラブストーリーだと思う。ちなみにタイトルにもあり劇中にも話題が出るポトフは完成しません（何んだそれ）
「私はあなたの調理人？それとも妻？」
