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落下の解剖学のniameyのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8
新情報が出される度に、検察側の主張にも弁護側の反論にも同調してしまいそうになる、見応えある裁判映画だった。

夫であり父親であり、不遇の作家でもあるサミュエルの転落死を巡って、法廷では家族の赤裸々な姿が暴かれる。解剖という言葉は至適であった気がする。

真実は最後まで明かされない。描きたかったのはそこではなく、家庭という有機体が持ち得る病巣の方かも知れない。
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