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落下の解剖学のATのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.4
作中誰かが言う。
「まるで彼女が書いた小説のようだ」と。

まさにその通りで、裁判で次々と語られる証言や台詞の言い回しが全編を通して誰かの創作物を読んでいるような、なんとなくつくりもののような感覚があり、それが非常に面白かった。(実際創作物なんだから当たり前だという話は置いといて)
近年だとザリガニの鳴くところもそうだったけど、こういう"読書感"のある作品がとても好き。

人の一方的な観点からは真相は見えない。
落ちるということばに含まれる沢山の意図や、語られる内容や裁判の行方への余韻とともに、あっという間の150分だった。

スヌープが最高に可愛かった。
これは犬と何年も暮らした犬ガチ勢だから堪らない観点なんだけど、今作スヌープの鼻息やチャカチャカと歩く音までよく聞こえてこれがまた最高。可愛い。とにかく賢い、可愛い。優勝。これに尽きる。
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