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落下の解剖学のtype00denのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんか惜しい感じがします。
個人的な解釈では、ダニエルのための物語ですね。
あの女性が言っていた2つに迷った時は心で進む道を選ぶ。
それをダニエルが出来るための物語です。
タイトルの解剖学というのは、家庭のカオスを人間の内臓に見立ててそれを世間に曝け出すことを示しているのだと思います。
本作はミステリーではないんです。検事側の殺人という物語と弁護士側の自殺という物語、どちらが優勢かというかで物語は進み最後まで「真実」はわかりませんでした。個人的には弁護士側の落下の真実の方が納得いきましたが、あれはあれで憶測が多い気がします。裁判の流れとしては、最初は弁護士側が優勢で検事側が徐々に優勢になり最後にダニエルが語る物語(母は殺人をしていない)に落ちたという印象。多分ダニエルは父が自殺したと本当は思ってないと思います。それでも自分が信じたい真実のため世間の声を無視して選んだのでしょう。そこが素晴らしい。
私生活を元にした物語を描く母とか最悪です。
母親は子供の葛藤を理解してないのか何も得ていないと言いますが、子供から選ばれるという形で確かに得ています。
ダニエルは今後とても苦労するでしょうが対応するための方法を得られたので大丈夫でしょう。
個人的に考えるテーマなら母親は有罪の方が際立つと思うのでそこで惜しいと思いましたね。
端的に言ってこの物語、「うみねこのなく頃に」でしたね。
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