ご機嫌な黄色

落下の解剖学のご機嫌な黄色のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8
読者も観客も、
事実と架空の境を知りたいとは思っても、そうは真実が卸さない
膨大なセリフ
人と人との関係性を解剖する裁判で証される夫婦関係の落下
視点の数は一人称の数
弱視の息子が聞いていた真実、犬が経験した真相

ドキュメントタッチな検証に、
イヤミな検事や、意味深な表情をみせる被告、遺された口汚い口論、英語とフランス語が使われる法廷劇は、多角的に迫っているようでスルスルとスカされてはコロコロと弄ばれてしまい、じゅすぃふぁてぃげー

妬み僻みと愛と憎悪と、
熟考したとしてもたどり着いてしまう短絡的な言動
暗く動きにくい積雪の下で、
容疑者と死者との息子である少年が成長していく姿にみた清廉な花は小さく音を立てて開き、陽がさした

パルムドッグ受賞わんこ様にはオスカーも差し上げて下さい😢

とは、
いつもながらの私の主観でしかない駄文感想文であるので、
他者の見方や製作者らのインタビューやはたまた時間に接することで変化していくのは当然かもしれないが、
ことに今回は自分の主観に自信がない
なぜなら、
スワン・アルロー演じた弁護士が、
西の中村七之助(の、私的には上位互換)とでも言う色気をだだ漏れさせており、
私は動揺しまくっていたのである
さっき観ていた聴いていたことを思い出すだけでも、補正や改ざんを疑ってしまう
寝て起きれば、
「フランス法廷着の七之助さんヤバかった」ぐらいが私の証言となる
そんな、不確かな鑑賞体験
ご機嫌な黄色

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