JM

落下の解剖学のJMのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.2
彼女の映画は好きではない。嫌いではないが、乗れるところがないのだ。
作りが非常に理知的で、人物たちに乗って行きにくい作りになってるからだろう。

彼女は前作もそうだが、主題を頭に語る。現状とフィクションが綯い交ぜになるというのがそれだ。前回もそれに近かった。
彼女のキャメラは現実を捉えている感じがしない。物語りつつ、記録映像となり、記憶となり、妄想となる。彼女の語る一連のショットは曖昧模糊として霧に包まれているようだ。
しかし、人物たちはその中で生きる。
そのような姿にこそ、関心があるのだろう。
僕もそれに関心はある。ただし、彼女のような提示の仕方には首を縦に振り切れないのである。
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