ぺんじん

落下の解剖学のぺんじんのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.5
『TAR』もそうだったけど、家庭内で女性が権力を握った時にどういう関係性が生まれるかに焦点が当たっている所が今どきだったと思った。
こちらは刑事事件だけど、夫婦のすれ違いがどんどん大きくなっていく様子が法廷で明らかになる感じが『マリッジ・ストーリー』と近い感じがした。アメリカ的な整備された法廷劇にしか頭にしか無かったから、こんなに検察官・弁護人・証人が自由なタイミングで発言する法廷劇は、多言語が入り混じる状況も相まって新鮮だった。
両親を思う少年の姿には心打たれるけど、夫婦の言い争いがあった当時に少年がどこにいたのかもはっきりせず、少年の発言も後半に変化するので、この結末が誰にとってのハッピーエンドだったのかを考えると結構深いと思う。
ワンちゃんの迫真の演技が凄いし、なによりデカくてカワイイ。
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