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落下の解剖学のhydrangeaのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.7
主人公は少年と犬!

どうして検事があんなにサンドラを犯人にしたがっていたのかがわからない。弁護側にとっては、自殺説しかサンドラを救う方法がないわけで、息子が話をその流れに持っていくのは、人生の自衛策というか。母ちゃん殺人犯なんて嫌だし、母ちゃん服役したら僕どうなっちゃうの?状態だし。死を覚悟しろと言い残して父親が自殺したっていうストーリーの方が、丸くおさまる。ので、彼があの真実を選んだのだ。
陪審員らにとっても、このオチは、子供を不幸にしないですんだという安堵を得られるので、採択するに決まっているよね。

あの夫婦喧嘩はあるあるで、日本人からすると男女逆転感はあるかも。妻は理詰めの正論で「そんなに書くための時間が欲しいなら、こんな議論をしてないで書けばいいじゃん!」って、その通りなんだけど、感情が先走っている夫をますます苛立たさてしまう…
また、性的な浮気相手が女性だった件、日本ならどうなんだろう?男に寝取られたんじゃないから、まあいいか?ってなるのかな…?だとしたら、ここにもジェンダー問題が潜んでいるよね。

サンドラ役のザンドラ・ヒュラーは、『希望の灯り』でヒロインだった人。あっちでは魅力的な女性だったけど、こっちではイケすかない女って、演技上手いんだわ
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