hydrangeaさんの映画レビュー・感想・評価

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デッドマン(1995年製作の映画)

3.9

圧倒的に詩的で、圧倒的な様式美であった。
荒みがちな自然なのだが、これでもかというくらい美しく撮られている。
渋い男たちがいちいち味わい深くて、ジョニデの美青年っぷりが際立つ。
どの文化圏でも死と川は
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映画を愛する君へ(2024年製作の映画)

3.8

デプレシャン監督の映画にまつわる映画エッセイ。本人の成長や映画好きへのインタビューなどがあり、映画好きなら共感する部分も多いので楽しめる。
アメリカ先住民とフローズン・リバーのミスティ・アッパムについ
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息子の部屋(2001年製作の映画)

4.4

フィクションだからこそ練られたディテールが効果的で、小さなエピソードにある会話や仕草や表情に説得力がある。
父の悲しみ、母の悲しみ、姉の悲しみ、それぞれ違うのだが、違うなりに寄り添い合って、尊重し合っ
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

2.0

ボイスオーバーで説明し過ぎ。それを映像で見せるのが映画っちゅうもんでしょ。無駄に間延びしたシーンも多くて緩すぎる。ファンタジーな展開も私には無理。何故こんなに高評価なのか、さっぱり理解できない。

アルカトラズからの脱出(1979年製作の映画)

4.0

寡黙な主人公もいいが、他の登場人物たちも非常に味わい深い。
サンフランシスコの晴れた空はくすんでいた。
黒人たちがずらっとひな壇に並ぶのカッコいい。
青いシャツ、チノパン、ピーコート、ニット帽。シャレ
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ナショナル・シアター・ライブ 2024 「ナイ 〜国民保健サービスの父〜」(2024年製作の映画)

4.3

NTLは3本目だが、イギリスの演劇のクオリティの高さに毎回驚かされる。
今作も演出も役者の演技も素晴らしかった。二部上映前の映像スタッフのインタビューで、カメラワークやカットなどを計算し尽くして撮影し
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

3.8

マリアンヌ・フェイスフル追悼。可憐な歌声よ…

色彩がヴィヴィッドで、画面の中の物の位置にセンスがある。
消したい発言に被さるピー音がうるさい。それに呼応するかのようにベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第
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RETURN TO REASON/リターン・トゥ・リーズン(2023年製作の映画)

4.5

マン・レイが1920年代に撮った四つの即興的な映像詩に、スクワールが即興的な音楽を付けた。
それぞれが単品だと、前者は映像アーカイブ、後者は映画関係者の趣味の音楽となりそうな感じなのだが、この即興✖️
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女囚さそり 第41雑居房(1972年製作の映画)

4.0

前衛でアングラでサイケでエロでグロで琵琶法師!
現代ではあり得ない倫理観…昭和が怖すぎる。
廃屋で主要キャストがシリアスな面持ちでいる背景では女性2人がレズ行為中…って!
梶芽衣子の、ゴミ捨て場で亡く
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.6

ロボットって秘密守れないんかい⁈
宇宙空間や宇宙船の設備、ガジェットもろもろにセンスがあってきれい。プールで無重力になったところ、ドキドキした。
物語は、彼らなりに幸せになりましたってことで可もなく不
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都会のアリス(1973年製作の映画)

5.0

映像も登場人物も全部好き。
アリスは感受性が高いが卑屈なところが全然ない。
ルーザー感のある主人公だが、責任感があって、ほどほどに優しい。
床屋での通訳、伸ばされた巻き毛が戻るとこ、トイレでの号泣、証
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エマニュエル(2024年製作の映画)

2.0

観る価値のない映画だったが、観なければその価値があるかどうかはわからないわけで…
監督の前作が良かっただけにガッカリしているというのもあるが、いやいややっぱりこれは駄作でしょ。
登場人物の誰1人として
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ブラックバード、ブラックベリー、私は私。/ブラックバード、ブラックバード、ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.0

どんな体型だって、本人が正々堂々としていれば美しいのだ。
エテロの着る服の襟ぐりの開き加減が絶妙に良い。彼女は自分を知っている。好きな男でも一緒に暮らすことはできない。彼女には彼女の生活、流儀、流れる
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その街のこども 劇場版(2010年製作の映画)

4.0

被災者たちの、無数にある物語のうちのひとつをファンタジー風に…
ふたりの健康な身体性が、物語を動かしていたと思う。

砂の惑星(1984年製作の映画)

3.8

デヴィッド・リンチ監督追悼。

造形物に独特のセンスがあるし、詩的なムードもあって悪くない。
カイル・マクラクランは顔が整い過ぎていて、大根役者に見えてしまう…ツインピークスのようなオフビート感のある
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7月の物語(2017年製作の映画)

5.0

ブラックの映画に出てくる女性2人のタイプが本作でも2話とも踏襲されている。片方は奔放でわがままで外交的で芯が弱い、片方は控えめで内向的で芯が強い(『女っ気なし』だと前者が母親、後者が娘)。


第一話
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勇者たちの休息(2016年製作の映画)

4.5

現役時代に目一杯働き、リタイア後は自転車走行を生きがいとする男性達の言葉と姿。
『遭難者』のサイクリストが言っていた、「苦しくて自問自答しながら峠を越えた時の風景が最高」というセリフ通りの体験をさせて
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やさしい人(2013年製作の映画)

3.6

なんでこの邦題?原題はトネールというこの作品の舞台になった街の名前なのに?だからトネールという街で起こったあれこれという解釈なのに?第一に優しい人なんて全然いなかったような…

2011年の『女っ気な
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女っ気なし(2011年製作の映画)

4.0

母娘が本当の親子に見えてきた。模倣なシングルマザーと、それを反面教師にして真面目な娘。ジェスチャーゲームが最高で、なんてみんな芸達者なんだ⁈

シルヴァン、シャツの下はいつも黒いロックなTシャツで、家
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遭難者(2009年製作の映画)

4.2

良い人なんだけど微妙にずれている主人公。いつも割に合わない人生を送っていた感、うまく醸し出されていた。
サイクリストの男の気持ちはわかる。彼女のことがもう好きじゃないから別れたい。しつこいメールにもイ
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インテリア(1978年製作の映画)

5.0

最高なホームドラマ。
ヴィルヘルム・ハマスホイをリスペクトした完璧なインテリアが美しい。
上質な素材でデザインもこの上ない衣装が素晴らしい。

完璧だった母親が、その完璧さゆえに夫に捨てられる。夫は彼
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占領都市(2023年製作の映画)

5.0

在蘭経験があるので、よく知った風景も多かったが、観光的な目線ではなく、そこに暮らす人々の営みが散りばめられていて、より身近に感じられた。
その場所にかつて生きたナチスの被迫害者について、そこでナチスが
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キノ・ライカ 小さな町の映画館(2023年製作の映画)

3.5

カウリスマやキジャームッシュのインタビューが見どころ。

ジャームッシュがフィンランドに行った時、カウリスマキが迎えに来た。雪が降っていたがキャデラックの幌は壊れていて閉まらず、オープンカー状態。カウ
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ナンニ・モレッティのエイプリル(1998年製作の映画)

4.1

控えめに言って最高な映画。ナンニ・モレッティがナンニ・モレッティという、これでもか!というくらい面倒くさい映画監督を作り上げている。こんなに面倒くさいのにちゃんとついてくるスタッフの存在はは、全映画監>>続きを読む

親愛なる日記 レストア版(1993年製作の映画)

4.2

いつまででも見続けた過ぎて、終わると寂しくなる作品。彼の世界観が妙にフィットするのよね。
人の家を見るのが好きってめちゃわかる。ローマの住宅街をヴェスパで走るの最高。
音楽も大変良い。

にしても、皮
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

4.1

どうすればよかったか?と、問われれば、どうすることもできなかったよね、という答えしかない。
出てくる人みんな頭おかしい。4浪もさせて医学部入れるとか、脳内の混乱が極まっているのに国家試験20回受けさせ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.7

後半に突然の爽やかスィート場面があったりし、サリー再来のホラー場面があったり、起伏はあるんだけど、メリハリのテンポ感がイマイチ。グロシーンの間に挟まれる静止画やフラッシュバック映像も洒落ているんだけど>>続きを読む

ペパーミントソーダ 4K修復版(1977年製作の映画)

3.8

姉妹と彼女らを取り巻く人々の日常。皆、その時々の気分や感情に正直で、確かに生きるってこんな感じなんだけど、にしてもその公平や公正を考慮しない感じに振り回される被害者もいるわけで。
500キロ飛ばして姉
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ボルジア家の毒薬(1952年製作の映画)

3.0

『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』を読んだ後で鑑賞。ルクレツィア役のマルティーヌ・キャロルは綺麗で、衣装も豪華だしピッタリだと思えたが、チェーザレ役のペドロ・アルメンダリスが全然イメージと違>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.8

演技の上手い2人が夫婦喧嘩をするとすごいことになるな…
スカーレット・ヨハンセンのデヴィッド・ボウイの仮装が最高だった。アダム・ドライバーが最後に歌う歌も良き。芸達者な人たちだ。
ローラ・ダーンのど迫
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祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.0

いちいち決まっている構図とカメラの動きが秀逸で、見惚れた…
朝のお詣りの流れるような移動がコミカルにキマっている。屋内での立ち振舞いもテンポ良い。山田五十鈴のキレッキレな京言葉のセリフに男はんたちもタ
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地下水道(1956年製作の映画)

5.0

このタイトルだとわかりにくいが、地下の水道ではなく、汚物を流す下水道。

排泄物にまみれて絶望に次ぐ絶望。しかしやりきれないのは、身内の裏切り。愛し合っていたと思っていた男が妻子持ちだったり、部下に後
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山逢いのホテルで(2023年製作の映画)

3.8

いろんな歪さに満ちていた。山間は大自然かと思えば、ダムという人間の作った巨大なインフラがある。ジャンヌ・バリバールは口角を上げると顔が歪む。近所の女は息子を預かってくれるが、善意ではない、など。
ダイ
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

5.0

隅から隅まで好き過ぎた。
シェリフ、めっちゃいい奴、でもって最終的には人妻と…
フェリックス、気が早い勘違い男…
子猫ちゃん、いい味出してる…
ギヨーム・ブラックって飛び込みが好きなんだなとつくづく…
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リンダとイリナ(2023年製作の映画)

4.5

思春期の少女たちの信念や心の機微が直球で伝わってきた。まだ自分の運命を切り開くことのできない彼女たち、友情も大切だけど、離れ離れの切なさを味わいたくないからガードしてかかるの、よくわかる。
キラキラの
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宝島(2018年製作の映画)

5.0

ナンパに余念がない青年ら、ズルするしか術のない少年ら、隙を見せたり見せなかったりする女性ら、安全と利益を気にする運営者ら、白鳥呼べるおじいさん、クロアチアで20歳の女の子と過ごした夏を語る70歳男、平>>続きを読む