ShotaOkubo

落下の解剖学のShotaOkuboのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.4
わたしたちは「主観」の言葉の真実の前には沈黙するほかはない。
なぜなら、物語とは、それを信じたり信じなかったりすることができる何ものかであるからだ。それとの距離を余裕をもって計測し、おのれの位置を決定しうる対象なのだ。
だから、わたしたちの瞳(見ること)が取り逃がすしかない画面に展開されている不断の「現在」に瞳を差し出し、そこには描かれていない物語のしかるべき展開を認識するという「主観」的な想像作業が絶対に必要なのだ。
この作品には映画が惹きつけながらも拒否するような「主観」の力学が働いている。
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