所謂濃密ミステリーという雰囲気のそれとは違う、というか真逆な作品だと思う
鑑賞中にシンプルな面白いという感覚はなく、面白くなりそうな盛り上がりがあった後には必ずまた薄靄が掛かったような晴れない展開が続く
つまりは全てがハッキリしない
だが本作はそこが面白いところであり、核心なのであると思う
弁護士のおっさんや終盤の息子ダニエルのセリフがこの物語の本質を語っている
この話は作中外でのことにこそ真実があり、そこを考察することも可能
だがそこに意味はないのだ
白黒ハッキリしたものが観たい人にはお勧めしない