初カウリスマキ監督作品。評判の良さから気になって観たら日曜日に観るのにぴったりな映画！特別なことは起きないけど、だからこそ一つ一つの相手を大事にしてるって感じさせる行動が沁みて素敵だった。
タップ一つで連絡先の交換も近況報告もできる時代だけど、やっぱり手渡しは素敵だし、同じテーブルで食事を取るのも、スマホでもテレビでもなく相手の目を見てコミュニケーションを取るのも何にも勝る。ジュークボックスやラジオから流れる音楽に乗せられて、自分たちが生きる今とは違う、物語の中の知らない誰かの世界を傍観者的に見ちゃう瞬間があるけど、そうなる度にラジオのウクライナ侵攻のニュースで「今この瞬間どこかで繰り広げられてる物語」なんだって引き戻してくるから上手い演出だなぁ。そしてこれが現代なんだと知らされると、一気に重みを増してくるその日暮らしの貧困…戦争の悲しさはもちろんのこと、日常を生きるのもしんどい時代だね。そして犬はいつでも可愛いね！
