引退宣言から復活したアキ・カウリスマキ最新作。
労働者3部作に連なる4作目で、いつもながらフィンランドの首都ヘルシンキを舞台にしたラブストーリー。
相変わらずのカウリスマキの無機質な情景、寡黙なキャラクター、センスのある音楽の使い方、加えて映画愛に溢れた、淡々としつつも心に染みる、カウリスマキ作品をみている喜びに満ちた作品。
ウクライナ紛争のラジオニュース、カラオケシーン、
映画館デート(かかっている映画やその後の感想は大爆笑を誘う、高等テクニック。)、映画館の前のポスター、犬など散りばめられた断片ははどれもが不必要でいて実は重要なピースは、些細なことこそ日常において、否人生を彩る温かみのあるものだと教えてくれる。
カンヌ映画祭審査員賞。