EDDIE

関心領域のEDDIEのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
3.4
あまりにもドギツい106分の新感覚映画体験。アウシュビッツ強制収容所の敷地内の屋敷に暮らす家族。夫の疲弊、妻の執着、裕福な暮らしに見えて周りは悲惨。それを見せない嫌らしさが気持ち悪さを増幅させる。
『落下の解剖学』に続きザンドラ・ヒュラー大激怒。

いやはや恐ろしい映画でしたよ。
時は1945年、アウシュビッツ収容所で所長をするルドルフが主人公。彼は隣に家を構え、その一家の家長でもあります。

何が怖いって隣の収容所では日々恐ろしい出来事が起きているにも関わらず、隣に住む家族にとってはそれが日常で環境音の一つでしかなく、幸せそうな日々を過ごしていること。
人間の慣れって本当に恐ろしいなと思う場面もたびたび挟まれて、妻や子供たちはもうこの住環境に楽しみすら見出しているわけです。

見せ方や音響、撮影の構図など、映画的にはめちゃくちゃ巧いし楽しい。
一方で、胸糞は悪くなる一方だし、エンタメ要素はほぼ皆無なので、映画としては優れていると感じながらも、自分には合わないなと。

ハッとさせられるシーンもあり、本当に映画としては素晴らしいと思わされるんですけどね…それにしても胸糞の悪さはかなり残ります。

〈キャスト〉
ルドルフ・ヘス(クリスティアン・フリーデル)
ヘートヴィヒ・ヘス(ザンドラ・ヒュラー)
オズヴァルト・ポール(ラルフ・ハーフォース)
ゲルハルト・マウラー(ダニエル・ホルツバーグ)
アルトゥール・リーベヘンシェル(サッシャ・マーズ)
エレオノーア・ポール(フレイア・クロイツカム)
リンナ・ヘンセル(イモゲン・コッゲ)

※2024年新作映画37本目
※2024年劇場鑑賞36本目
※先行上映にて
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