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関心領域のfilmgramのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
3.7
アトロク試写会@新宿ピカデリーにて鑑賞。
ライムスター宇多丸、宇垣美里、森直人

アウシュヴィッツ強制収容所の隣で平和に
暮らす所長一家を描く…本作は1秒足りとも
ボケなどネタシーンはなく、笑う要素は
皆無で終始違和感と不快感を感じる作品。

アカデミー賞で、監督が今起こっている
虐殺についての作品と言及したことで
非常に物議を醸しましたよね!

われわれはなぜ学んでこなかったのか?
なぜ同じ過ちを繰り返すのか?
ということを最も訴えたかったようです。

そのため、80年前に起きた出来事であり
現代とは関係ない話だというふうに
見せてはおらず、今この現代にちゃんと
訴えかけられるような作品になるように
フレーミングしたかったんだそう。

でも面白い?ことに、映画を見て不快感を
感じて、結局家に帰ってくつろぎながら
感想書いてたりしてることを思うと結局
"関心領域"ということになるんですよね笑
「お前のことだよ」って言われてる感じ。

重たいし、何度も観る映画じゃないけど
観るほどあのシーンはこういう解釈が
取れるよね、とか皮肉さ、メッセージが
伝わってくるスルメ映画でもあったりする。

ラストではホロコーストの今を描いて
再びわざわざ過去に戻るシーン。普通は
現代に戻って終わるのが1番綺麗ですよね?

しかもめっちゃ嘔吐しそうになってるけど
あれって色々な解釈ができるんですよね。

大前提として、少し前のシーンで健康診断を
行って"身体に問題がないこと"を明らかに
明示していたシーンがありましたよね。
そうなると体調不良では確実にないんです。

自分が重ねてきた罪に対してなのか、
現代から過去に戻ることで視聴者の心境に
重ね合わせた描写なのか、それとも現在も
続いてる虐殺に対しての皮肉なのか、
具体的な解はないですが、色々感じます。

余談ですが、家は実際にセットを作って
定点カメラを数十台設置して、キャストも
どこから撮られているかわからないまま
撮影をしていたそう。監督達は別室から
監視カメラのようにそれを除くという、、

また、実際に劇中のように庭で撮られた
写真はたくさん記録にも残っていますが
それらに壁は一枚も写っていなかったそう
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