観たら落ち込むだろうなぁと思いながら観て、やっぱり沈むんだけど、映画館で観れて本当に良かったと思える映画でした。
高い評判通り、新鮮かつ凄まじい音響体験。音響だけで600ページに渡る台本があったと言うのも納得で、音だけでもう一本の映画が並走している感じ。この音響がなければ、映し出されているのは単調なホームドラマとも言えます。視覚と聴覚の、認知の不協和。
生活者たちの関心領域。外の世界が異常すぎて、自己防衛的に限定的な関心領域を展開し、閉じこもるしか逃げ場がないのかもな、と私は感じました。自身を振り返って考えさせられますし、何より凄まじい映画体験でした。
追伸。
ジョナサン・グレイザーが監督した『Virtual Insanity』のMVは、私の青春。