シネフィルFUKUHARA

関心領域のシネフィルFUKUHARAのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.2
箇条書きで書く
(徐々にネタバレになる、警告有り)

・本物の家を使って実在の人物ルドルフ・フェルナンド・ヘス(1901〜1947年)とその家族を隠しカメラ風に撮る。
・所長ルドルフは子供の様な声だが奥さんの声は違う。
・鑑賞中「このまま不穏な背景音の中で奥さんの庭自慢で終わったらどうしようか?」と不安になってた。
・カンヌ国際映画祭でグランプリ、アカデミーで国際長編映画賞と音響賞を受賞。
・アカデミー賞の国際長編映画賞受賞の瞬間ザンドラ・ヒュラーが泣いてたのは「あの場所」での撮影がドイツ人として辛かったのだろうか?
・劇中出てくる「カナダ」とは強制終了所のガス室で死亡したユダヤ人の荷物の格納倉庫の事。






↓ネタバレ



・母親に「地元の人よ」と言ってた使用人に「主人に焼いてもらって灰にして撒く」で実はユダヤ人だと気づいた。
・家に残りたい妻の為に所長がアウシュビッツで引き受けた事と、当時の苦悩が後のルドルフの手記に語られてたのか?
・ものすごい煙で凄まじい匂いがしてたのだろう。気づいて耐えれない人が酒の力でも駄目で逃げ出す。
・果物を渡せないので工夫するシーンが『アトランティス』(2019年 ウクライナ映画)とシンクロした。お礼に楽譜をもらう実在の少女。
・今現在進行中の戦争に関心を持ってもらいたいのは間違いない。
・最近映画館で観た、もっとも眠たくなったオープニングだった。この前の『悪は存在しない』よりも。

音や蒸気機関車の水蒸気からリアルに想像が出来るのは『シンドラーのリスト』、『戦場のピアニスト』等のおかげでもある。
沢山あるホロコースト映画やドラマ、本に携われば携わってる方ほど想い描くシーンが出てくるだろう。当事者のユダヤ人の気持ちは計り知れない。