正直にいうと、途中から何箇所かでウトウトしてしまった。しかし、言い訳めくがこれはそうしたある種の退屈さ自体が意図されたものなんだと思う。
カメラは引いていてクローズアップが少ないし、説明も少ない。登場人物の心理に入り込めないつくりだし、状況もわかりにくい。
いろいろなレベルでこちらの「関心」の範囲や濃淡を問うてくるような映画だと思った。
この主題にあらかじめ関心や知識を持たない人を遠ざけるようなつくりには「それでいいのか？」と感じる部分もある。しかし、オスカーを手にした監督のスピーチへの反応を見ると、この主題に強い関心を持っている人でも、今まさに起きている同様の問題に対してはまったくる異なる態度を取っていたりする。そう考えると、このつくりであることの意味はあるようにも思う。
オープニングの、絵画の題材のように水辺でのピクニックをしているカットが印象的に残った。
