私達が普段日常生活を送る上で命の危機や人種差別等を感じる事は殆どないだろう。
しかし、もし日常的にそういった事が当たり前のように起きていたら？
そこに暮らす人々はどのように感じているのか？という点にスポットを当てた作品だ。
現代の我々の視点から見るとあまりにも異常な光景に映るが、当時のそこに暮らす人々にとってはそれが普通であり、当たり前だったのだろう。勿論ナチスを信奉し、それが正しい事だと信じて疑わないからこそ平気でいられるのだろうが。
映画は普通のファミリードラマかと思えるほど平和な光景を映し出して行くが、日常音に混じって聞こえてくる叫び声や銃声等から、その裏でとんでもない地獄が繰り広げられているという事実が浮き彫りになる。
見せない（というか無関心な為に"見えていない"）演出が逆に想像力を掻き立て、恐ろしくなった。
