サトシ

関心領域のサトシのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
3.5
ジョナサン・グレイザー監督・脚本、戦争歴史映画。A24製作。
第76回カンヌ国際映画祭グランプリ、第96回アカデミー賞国際長編映画賞など数々の作品賞受賞。

空は青く、誰もが笑顔で、子どもたちの楽しげな声が聞こえてくる。そして、窓から見える壁の向こうでは大きな建物から煙があがっている。時は1945年、アウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らす家族がいた・・・。

【キャスト】
ルドルフ・ヘス:クリスティアン・フリーデル
ヘートヴィヒ・ヘス:ザンドラ・ヒュラー

殆ど満席の状態で注目度が非常に高い事が伺えます。
設定としてはアウシュビッツ収容所の隣りで普通の生活をしているギャップは非常に面白く興味深いです。特に家族でプールを楽しんでいるシーンは余暇を象徴していてインパクトが強いです。
サーモグラフィーで映し出された映像が出てきて個性的で無気味に映り怖くなってきます。
壁を隔てた向こう側を全く映す事なく、煙や銃声を入れる事で各々で想像するように構成されており、観客によっての受け止め方が異なってきます。
ストーリーとしてはヘス家族の様子が淡々と映し出される序盤は眠気が襲ってきます。
アウシュビッツ収容所に残された靴の山が強烈で脳裏に残っています。
世界を見るとウクライナのように多く人々が戦争で亡くなっていますが、日本では非日常で関心が無いのは仕方ない事だと思ってしまいます。
ヘス家族がアウシュビッツ収容所に全く無関心なのは自分自身と同じと思えてならないですね。
今だからこそメッセージ性は非常に素晴らしいですが、好みの作品ではなかったのが残念です。
サトシ

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