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関心領域のののレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.5
吐き気まではいかないにしても喉元に感じる気持ち悪さと体に力が入らなくなるような若干の倦怠感。
観客は40人程しか居なかったが、終わった後にほとんど誰も喋らないまま入り口から出て行くのを見て、自分を含めて余韻が抜けないのではなく、囚われているような感覚に陥っているのだと気付く。

抑揚が無く、ただ淡々と過ぎていく日常の裏で聴こえる銃声や苦痛に歪む悲鳴が、ヘス家だけではなく人間が持っている異常性を、残酷性を、無関心さを突き付けてくる。

ルドルフが吐き気をもよおして、今のアウシュビッツを幻視する事で、観ている我々も同じではないかと思わせられ、今のガザやウクライナ、ミャンマーなどで起きている事に、自国の政府が行おうとしている事・自国でも起きている事に無関心でいる事で加担していないだろうかと考えさせられて胸が締め付けられる。

おかしな事・間違っている事には反対を、正しい事には賛成をはっきりと示していく事が必要だと改めて思う。
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