GAKKY

関心領域のGAKKYのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.0
2024年 / 34本目

まさに、本編で流れる映像の裏側に関心を持って見ることができるかどうかが試される。

もちろん私も全てを知っているわけでは無いし理解が乏しい部分もあるので偉そうなことは言えないけど、よくわからないまま見に行くと色んな意味で残念に終わると思う。

以下勝手な解釈ですが、
冒頭の鳥の囀りですが、響くようなハウリングしているようなところから鮮明になっていった部分は、閉鎖された場所で聞こえる音と、解放的な場所で聞こえる音の違いを表していたのか?とまず感じた。それがただ単に収容された場所なのか、焼却室に詰め込まれた場所で聞こえるモノなのかは分からないけど、内と外の世界観の違いを表してるのではと冒頭で感じた。

なんて無い日常の中で聞こえる銃声や悲鳴も、安全な外で居る家族にとっては日常のBGM。それを小さい男の子が人形遊びで喋ったり、当たり前のように口癖のように日常で口にしていたのが印象的であり恐怖を感じた。

その当たり前の環境を快適に開拓して得た生活、昼間は一見煌びやかな物に見えても、姿を消した母からすれば当たり前では無いわけで、異常を感じて姿を消したのか、あの置き手紙の内容が気になる。昼間はうたた寝できるほど平和だけど、夜になれば煙突からあがる真っ赤な炎をみて自分も死にたくなりそう。

最も印象深かったのはやっぱりラスト、現存する建物の中で後世に語り継ぐために残された場所と残骸を収容した施設と、当時を描いた映像が切り替わったセリフのない嗚咽と音だけのシーン。しかしながら、この嗚咽自体が不可抗力を表現してるように捉えられる。複雑。

あの不穏で奇怪な音楽がすごく頭に残る。

面白くないとかよく分かんないとか、こう言う映画をつまらない映画にしてしまう原因は、見る側のスタンスの問題だと強く感じる。他の映画もそうなんだけどね。
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