冒頭の暗闇のシーンは、「音をよく聞きなさい」というメッセージか。
序盤から、あまりにも無関心で平和的な家庭を見させられ、しかも固定カメラで撮影のため余計に日常感増し増し。
その対比で隣からの情報が余計に目立って入ってくる。
よく考えられて作られた映画だと思う。
A24が作る映画を全肯定はできないが、その斬新さに唸らされることがある。
あの悲鳴や銃声、炎や煙、塀、そして、目を背ける子供、弟を閉じ込める兄、劇中の音楽など、鋭く刺さり、そして重くて不快だ。
さらに今からガス室かよ、という絶望感。
自分は「塀の向こう側」に関心を持てているか、投げかけられた気がする。