酒ポテト

ゆとりですがなにか インターナショナルの酒ポテトのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

なんだか色々ごった返してそうな映画という印象だったが、宮藤官九郎の作品ということもあり上手く纏まっていて想像以上に面白かった。よくよく見ると役者陣が実力派揃いで、中でも柳楽優弥と安藤サクラの演技は抜きん出ていた。安藤サクラは一体何種類の母親を演じ分けることが出来るのだろうか。定点カメラの伏線回収が、ただの気持ちよさだけでなく穏やかさももたらしてくれた。家族のメンバーそれぞれの想いが吐露されやすい仏壇をそのシーンに選んだのは、脚本の業だと感じる。
「インターナショナル」というテーマが完全にハマりきっていない気がした。昨今笑いにしづらいジェンダーレスを上手くジョークにしているシーンもあったが、やはり無理やり大筋のストーリーにねじ込んだ感が否めなかった。ただ、セクハラ・パワハラを見て韓国人スーパーバイザーが思いを吐き出すシーンはこの作品中でもメッセージ性が強く、監督が問題視しているのがよく伝わってきた。
作中を通しても登場人物がみんな誰かと関わりを持っていて、自分はひとりじゃないんだと思わせてくれる作品だと感じた。笑いあり感動ありの素晴らしいコメディ作品だという印象。
酒ポテト

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