柏エシディシ

ユニコーン・ウォーズの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ユニコーン・ウォーズ(2022年製作の映画)
3.0
うっかりカワイイ映画だと思って子供が観ちゃったら、トラウマ必須の怪作アニメーションfromスペイン。
控えめに言っても、狂っている映画なんだけれど、現実そのものの方が狂っているじゃないか。
そんな冷徹な誠意も感じられる。
パープルやピンクを基調としたカラリングは見た目楽しく、対してユニコーンや猿たちをシルエットでダークに描き、無理なく手描きの肌合いを残したアニメ表現も面白い。ユルそうで実は技術的には全く緩くない。
ドラッグ描写も不謹慎ながら、ワクワクしてしまうwキラキラです。
情け容赦のないグロ描写に大人げもなく楽しみながらも、今そこにある現実の殺戮や紛争を否が応にも想起させられ、最後の思いもよらない結末に、暗澹たる気持ちに。我々は異なる者を排除し滅ぼす衝動をその原初から抱えている。
そんな愕然となる、そして認めざるを得ない結論に戦慄する。
柏エシディシ

柏エシディシ